9:00~17:00(入場は16:30まで)
谷町から塩屋の坂を上るとそこは南台家老丁の入り口。ここに立つ中根邸は杵築藩家老中根氏の隠居宅。杵築藩主に仕えた三河国中根村出身の中根長兵衛末治はやがて杵築藩一の家老にまで出世する。屋敷の建つ土地の広大さから見ても当時の栄華が偲ばれてくる。
代々家老を務めた中根家が、隠居後に選んだのがこの土地で、家老職から解放され、静かで穏やかな余生を過ごしたいという願いが見て取れる屋敷となっている。
6畳の茶室を始め、10畳の座敷もまた茶室として炉が切られている。その脇には3畳ほど茶の準備室も設けられていて、主人たちがこよなく茶の湯を愛していたことがわかる。もともと茶の湯の文化が広く浸透していた杵築藩にあっては、多くの人が茶の湯に親しみ、たびたび茶会も開かれていた。中根家にあっても、隠居後の暮らしの中の大きな楽しみとして茶の湯があったに違いない。主人たち亡き後も、この屋敷ではたびたび茶会が催されてきた。
大分県杵築市南杵築193-1
9:00~17:00(入場は16:30まで)