笑いと涙、喝采があふれた芝居小屋。一世を風靡した大衆演劇の舞台があった「衆楽観」。海上貿易で栄えた城下町には、人気の一座が次々に舞台に立ち、多くの観客が熱い芝居に酔った。そんな芝居が隆盛を極めた明治時代に芝居や歌舞伎専用の小屋としてこの街に誕生したのが「衆楽観」だったが、時代の波に押され昭和28年にやむなく閉館となった。
それがまちの有志たちによって56年ぶりに再建され「きつき衆楽観」として甦った。小屋でなければ味わえない舞台の魅力、一度味わってしまうと忘れられない大衆演劇の魅力が今再び注目を集めている。
平成の世にも新しいスターが登場し、若い女性ファンも増えている。建物は大正時代の酒蔵を改修、柱や梁は当時の「衆楽観」のものをそのまま使い、舞台のほかにも、食事処、ギャラリー、売店、観光交流センターがある。建物の再建だけではなく、ここを大衆演劇の新たな拠点にという取り組みに、役者たちはもちろん、劇団も動いた。大衆演劇の中心をなす九州演劇協会も乗り出したのだ。
月替わりで入れ替わる劇団、その演目も毎日入れ替わる。お客さんの喝采が役者魂に火をつければ、舞台はますますヒートアップする。
大分県杵築市杵築398-1
平日 9:00~18:00
土日 9:00~21:00
(毎日公演)昼間 13:30~