「どこに行こう?」が見つかるエリア別観光地ガイド
合言葉は「ごきげんようぎょ!」。
世界で初めての幼魚にフォーカスを当てた水族館です。
2022年7月にオープンしたばかりの比較的新しい水族館です。
ここにいる幼魚たちは幼魚時代をここで愛されて過ごし、一定期間が経過したら各地の水族館に進学していくそうです。
毎年3月に「卒魚式」と称して第二の魚生への門出をお祝いしています。
この水族館には厳しい自然界を小さな体で生き抜く幼魚の魅力がたくさん詰まっています。
一見すると「なぜこんな姿、生態なのだろう?」と疑問に思う個性を持ち合わせていますが、すべてに意味があります。
そんな幼魚の自由で大胆、かつ健気でたくましい生き様から、私たち人間にとっても生きるヒントをもらえる気がしますね。
この水族館はFloorA~Gまでの7つのフロアがあります。それぞれのフロアについてご紹介していきます。
FloorAは「漁港~幼魚は擬態の天才」です。
幼魚の擬態技術にフォーカスを当てているフロアです。
体が小さくて泳ぐ力も弱い幼魚たちが大きな魚に見つかったり、獲物を捕まえられなかったりする対処法に秘伝の技を習得するようになったといいます。
この水族館ではそれを名付けて「忍法・擬態の術」。様々な擬態をしている幼魚たちを楽しく見ることができます。
皆さんは見つけられるでしょうか?
FloorBは「危険な幼魚」です。
攻撃性が高い幼魚たちが集まっています。
彼らを「海の危険モンスター」と称して展示しています。
海の世界を中途半端な努力ではふるい落とされてしまう弱肉強食の世界として、幼魚たちを「剣を振り、歯を研ぎ、拳を磨き、健気に闘う小さな戦士たち。」と紹介しています。
どのような危険な装備を持っている幼魚がいるのでしょうか?
ぜひ現地で確かめてみてください。
FloorCは「漁港で出会える幼魚アイドル×ラブライブ!サンシャイン!!」です。
館長の鈴木さんにとって幼魚は身近にいるアイドルと表現されています。
このブースではTVアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」とのコラボを行っています。(※期間限定開催。)
このブースではAqoursメンバー9人が選んだ幼魚アイドルがAqoursメンバー9人のパネル、コメント付きで展示されています。
各メンバーの誕生日時期には生誕祭イベントが開催されます。Aqoursメンバーと幼魚アイドルの奥深さを感じてみてください。
FloorDは「幼魚と成魚を比べる」です。
海の世界では、見た目が似ている似ていないレベルの話ではないほど見た目が違う親子がいるそうです。
最初はぷかぷか浮かぶしかできなかった仔魚がぐんぐん成長して立派な成魚になります。
成長とともに魚たちは生活スタイルが変わり、それに合わせて見た目も変化していくそうです。
中には色や模様だけでなく体の構造までも変えてしまう魚がいます。
HPには「どこかに面影を見つけられたら、それは素敵な“いっしょ探し!”」とあります。
皆さんも幼魚水族館ならではのいっしょ探し、してみませんか?
FloorEは「深海の幼魚を科学する」です。
地球表面の約70%を占める海の、98%が深海だと言われています。
200mという分厚い水の壁の先にある世界への橋渡しをしてくれるのが幼魚だといいます。
深海という過酷な環境を見て、一部の種類は浅瀬で幼少期を過ごすことを選んだそうです。
餌を求めて深海と浅瀬を毎晩行き来する魚もいるそうです。
㏋の鈴木さんの言葉をお借りすると、「深海魚が実は身近なところにいる。ある冬の日に漁港の足元に現れたリュウグウノツカイの幼魚が、「海は横にも縦にも繋がっているんだ」と僕に感じさせてくれました。」とのことです。
浅瀬で出会える深海幼魚に出会ってそう感じたのですね。
様々な媒体を通して深海幼魚の生きざまを感じてみませんか。
FloorFは「本当の海を知らない幼魚」です。
本当の海を知らない、つまり人口繁殖によって誕生した生き物たちが集まっています。
水族館や食卓で身近に目にする種類が並んでいるはずです。
そんなよく知っている魚たちは、どこで誰にどの様に育てられているのか。
HPにはこのようにあります。「ここは人を展示するコーナーです。」
最後のFloorGは「水辺の幼魚」です。
海と陸は繋がっており、豊かな土は海の生態系を支える役割を担っています。
海と陸・河川との繋がりを感じさせる展示がされています。
川で育つ幼魚や海へ向かう幼魚など、水辺で暮らす幼魚の生態を間近で見ることができます。
海の世界に思いを馳せる入り口は我々の足元にあるかもしれない、としています。
そのためにまずは身近なところにいる生き物に目を向けてみよう、というのがコンセプトのフロアです。
意外な気付きを得られるかもしれませんよ。
このように、充実した7つのフロアが展開されています。
建物の3階にある小さな水族館ですが、幼魚の魅力を多方面から見ることができる水族館になっています。
屋内にあるので雨の日でも楽しめます。
静岡でのちょっと珍しい体験をしたいときは、訪れてみてください。
個性的な「幼魚水族館」、館長さんも個性的な方です。少しですが館長さんをご紹介します。
・鈴木香里武(かりぶ)さん。
・1992年3月3日生まれ 魚座。
幼少期から魚に親しみ、学習院大学大学院で観賞魚の印象や癒し効果の研究をしたのち、現在北里大学大学院で稚魚の生活史の研究をされています。
(株) カリブ・コラボレーション代表取締役。
名前は本名で、名付け親は明石家さんま氏で、金髪と男性物のセーラー服がユニフォーム。
著書に『海でギリギリ生き残ったらこうなりました。』(KADOKAWA)などがあります。
静岡県清水町の「幼魚水族館」のご紹介をしました。
幼魚の世界は我々が知らないだけでかなり奥深いことがわかりましたね。
ここでご紹介したフロア情報はほんの一部です。
ぜひ実際に行って幼魚の世界を覗いてみてくださいね!
ライター:霧野秋彩