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「山と海と湖の町、歴史ある松江の観光スポット」
「山と海と湖の町、歴史ある松江の観光スポット」

特集 「山と海と湖の町、歴史ある松江の観光スポット」

 

■歴史ある現存天守閣、国宝に認定された「松江城」

 

山陰地方において、唯一の現存天守閣が残っている松江城は、慶長16(1611)年に豊臣政権の三中老であった堀尾吉晴により、5年の歳月をかけて築城されました。

松江城は、別名を「千鳥城」とも呼ばれ、城の外壁は大部分が黒塗りの下見板張りの外層5層、内部6階の構造で、城内には松江城と松江の街に関する資料が展示され、最上階の天守は望楼型の造りとなっています。

外壁の大部分が黒塗りであることは、夜間に天守閣が発見されにくくするためで、まさに実践的な守りの効果を担った造りとなっているからだそうです。

また、城内の構造として、敵を迎え撃つ鉄砲狭間の設置、石落としの仕掛け、武者隠しの間など、敵を迎え撃つ工夫が要所に施されています。

本丸の天守閣は、桃山初期の華やかな造りの城郭を排しており、屋根の上のシャチホコは、木彫りで銅張り、高さは約2メートルもあり、現存しているものとして最大の大きさを誇ります。

城郭は東西360メートル、南北560メートルという広い敷地にあり、周囲には20~30メートルの内堀がめぐらされていました。

 

 

 

■松江城を囲む堀川を遊覧船で巡る

 

松江城を囲む堀川は、約3.7キロの距離をのんびりと遊覧船で巡ることができます。

現存の天守閣を要する国宝松江城、武家屋敷、塩見縄手の老松など、風情あふれる町並みをおよそ50分の船旅で満喫することができます。

遊覧船は、16もある橋をくぐり抜けながら、船頭さんのガイドを聞きつつ町並みを見て廻っていきます。

時には、水際を優雅に泳ぐ水鳥たちに出会い、懐かしい日本の原風景を感じさせる時間を過ごすことができます。

11月中旬~4月上旬には足元を温めながら、堀川巡りができる「こたつ船」の遊覧もあり、冷たい風に冬の寒さを感じながら、こたつで温まり冬景色を見るという、ほっこりとした船旅を味わうことができます。

 

 

■江戸時代の風情を色濃く残す城下町「塩見縄手」

 

 

松江城の堀周辺は塩見縄手と呼ばれ、現在でも当時の城下町の佇まいが残っています。

塩見縄手には当時の武家屋敷や、江戸時代から植生している松の並木道があり、松江を愛した文豪、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が、妻と過ごした旧居も残っています。

武家屋敷が軒を連ねる「塩見縄手」は、古庵「明々庵」から「小泉八雲記念館」までの約500メートルの道で、松江藩の家老、塩見小兵衛の屋敷が通りのほぼ中央にあったことが名前の由来だそうで、「縄手」というのは細い一本道という意味だそうです。

松江で最も城下町らしい佇まいを残す武家屋敷の長屋門を眺めつつ、城下町の情緒を感じるノスタルジックな景観の中、散策していると時代劇の主人公になったような気持ちに駆られるかもしれません。

 

 

■明治の文豪に触れてみる「小泉八雲記念館」

 

木造平屋建ての和風建築の建物「小泉八雲記念館」は、小泉八雲旧居の西隣にあります。

記念館には、小泉八雲の生い立ちや松江で過ごした日々、書き下ろした作品など、ゆかりの品々が展示されており、八雲の世界観に触れることができる記念館です。

八雲の初版本や直筆の原稿に書簡、そして愛用していた遺品などの収蔵品は、1,000点以上もあるそうで、そのうちの200数十点が記念館に展示されています。

八雲が特注した脚の長い机、デザインや形に興味を持ち収集していたキセル、来日した時に着用したスーツなどを見ると、先ほどまで八雲がそこにいたかのように思い描くことができるかもしれません。

 

 

■美肌効果が期待できる「神の湯・玉造温泉」

玉造温泉は、松江市の西南約8キロの三方を山に囲まれた温泉地です。

宍道湖に注ぐ玉湯川に沿って、白木造りの純和風旅館や飲食店、そして特産品の「めのう細工」の店舗などが軒を並べています。

日本最古の湯と言われる玉造の湯は、733年に編纂された「出雲国風土記」に『川辺に湯が湧き老若男女が賑わった』と記されており、『一度入浴すればお肌が若返るようになり、二度浴すればどんな病も治癒してしまう。その効能が効かなかった事は聞いたことがないので人々は神の湯と呼んでいる』という記述も残されているそうです。

また、その美肌作用などが都に伝わっていき「枕草子」に、玉造の湯のことが記されたとも言われているようです。

その昔から、神の湯として名付けられた湯が、現在も変わることなく湧き続いている玉造温泉の湯は、泉質がナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉(弱アルカリ性)です。

期待できる温泉の効能は、お肌にハリと潤いを与え、塩分(ナトリウム)作用で長時間の保湿作用、肌の古い角質をとりのぞくクレンジング作用、また化粧品にも使われている潤い成分の「メタケイ酸」が豊富に溶け込む温泉だそうです。